ちょっとツッこんだ 歯のはなし

今月号では、「ベッグ法」について
お話しします。

11月号

 

 

矯正による顎関節症の治療は有効か? その3  

    

   

 ベッグ法は、歯をいくつかのブロックとして考え、そのブロックごとに歯の軸を傾けながら、歯並びを良くするやり方です。歯の軸を傾けて動かすので、他の方法に比べ、歯にかかる力が弱くてすみます。しかも水平移動に比べて歯が動きやすく、治療に要する時間が短くてすむのも、このやり方の特徴です。(個人差はありますが…。)このことは、患者さんの身体への負担が少なくてすむという事でもあります。

 しかし、身体への負担が少ない、ということで、身体への負担が全くないということではありません。いくら弱い力で動かすから、とはいっても、歯を動かしている途中の噛み合わせは、患者さんにとって最適な噛み合わせとはいえず、その異常な位置で噛んだり、身体を使ったりすることは、患者さんの身体に多少ならず負担をかけてしまうことでしょう。身体のズレが、患者さんの身体の許容範囲であることを祈るだけです。

 また、数本の歯を1つのブロックとして考えるので、術者にとっては難しいやり方でもあります。さらに、患者さんが何らかの都合で決まった日数の後に来院されない場合、歯に加わる力がそのままかかりつづけることになり、歯が動きすぎるという欠点もあります。

 こういう理由から、日本でこのベッグ法による矯正を行う歯科医院は ごく少数なのです。

来月号では、そもそも
「矯正によって顎関節症は治療できるのか?」」という
問題を深く掘り下げて【まとめ】としたいと思います。  

院長の吉田です。

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