歯は一見、無造作に並んでいるように見えますが、一本一本が細かく それぞれの動きをしています。噛んだ時に、その力が歯冠から歯根を通って下は下顎骨・上は頭蓋骨の骨格に送られます。
送られた側の頭蓋骨を見ると右の写真でもわかるように それぞれ骨のパーツが分かれていて、上顎骨は左右に分かれています。健康な人は、これらの骨が脳脊髄液の増加・減少の水圧システムの作用で ほんのわずかな動き方をしています。各々違った動き方をしていますが、骨(前頭骨・側頭骨・後頭骨・上顎骨他)のつながりがバランスよく、調和しています。
Eさんは、前歯4本つながったものをかぶせられていました。これがつながると上顎骨の動きが遮断されてしまい、外に広がる方の運動が止まってしまいます。Eさんは、これが引き金になって 頭蓋骨の調和がとれなくなったのでしょう。そして、頭部に不快感を感じるようになったのです。
Eさんのように、かぶせ直しをし 噛み合わせが変化しただけで身体に異常をきたすのですから、歯列矯正などのように 歯の位置を動かす治療をして、顎関節症を引き起こすことは容易に考えられる事です。
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