ちょっとツッこんだ 歯のはなし

先月号の予告に、歯槽膿漏編とありましたが、誤りで、正しくは上の通り神経を取った歯編です。おわびして訂正させていただきます。では、気を取り直していきましょう。

11月号

 

 

一度治療した歯は悪くならないか? -虫歯治療編-  -神経を取った歯編-

    

   

 虫歯で大きな穴があくと痛むのは、歯の中の、俗に「神経」と呼ばれる部分が傷つき、外からの刺激を充分に遮断することが出来なくなったためです。

 この「神経」を一度取ってしまうと、歯自体が死んでしまうので 硬くても粘りのない“もろい”歯になってしまいます。噛む力に耐えられないと困りますから、根の治療をして、もともと神経の入っていた穴に薬をつめ、金属で中から補強してかぶせる、という処置をするのです。

 ところがこの、歯の治療の中でも基本とも言える〈根の治療〉がしっかりなされていないケースがよく見られるのです。

 香川県ではお年寄りがよく“けんびきで歯ぐきにふくらごができた。”と表現なさるのですが、疲れたときに時折、歯ぐきの横の部分に小さな腫れができるのは、以前行った根の治療が不十分で、根の先が膿んでいるのに他なりません。

 “けんびきは、寝たら治る。”ともいわれますが、これは休むことで体力が回復し、根の先の膿が表に出なくなっただけにすぎないのです。(その証拠に、けんびきは同じ場所にたびたび起こるはずです。)こういった症状は、放っておくと歯を支える骨を溶かし、歯槽膿漏のように歯をぐらつかせるもとになります。こうなってしまうと、噛むたびに痛みも出ますし、時には虫歯の痛みのように、ズキズキすることもあるでしょう。

 どうです?一度神経を取ったからといっても、安心できないことがお分かりでしょうか。人によって歯の根の形や数は違いますから、「根の治療を何回でします。」などというのは非常に難しいのです。痛みが出てしまうと、その歯の詰め物をはずし、再び根の治療を行わないとよくなりません。

 このような二度手間を防ぐためにも、最初の虫歯治療は完璧にしておきたいものです。

12月号は、「最新治療インプラントに欠点はないのか?」
をお送りしましょう。

院長の吉田です。

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