ちょっとツッこんだ 歯のはなし

今月から顎関節症と矯正についてお話しします。

9月号

 

 

矯正による顎関節症の治療は有効か? その1  

    

   

矯正顎関節症について考える前に、まずしばらくの間、矯正とはどういうもので、どんな方法があるのかをくわしくお話ししましょう。

 矯正はおもに三つのやり方にわけられます。まず一つめの方法はエッジワイズ法です。これは、まず動かす歯を決め、一本ずつ予定の位置まで動かしていくというやり方をするものです。動かす量を決めて行いますから、例えば急用などで治療に通えない場合でも、歯が動きすぎるということはありません。忙しい日本人のほとんどがこの方法で矯正を行うのも頷けます。
 さて、歯を一本一本動かしていき、予定通りの場所まで動かしていけば動きが止まるのなら、予約の日時を気にする事もありません。ところが、このやり方に何の問題もないか、というとそうではありません。
 一本ずつ動かしていくために、歯を動かしている間は、身体にとって異常な位置で噛む事になります。この間噛みしめるたびに、頭蓋骨の動きを阻害するか、もしくは脳に異常な力が加わってしまう可能性があるでしょう。
 頭蓋骨は(あまり知られていないことですが)いくつかの骨の集合体で、なおかつその一つ一つが個々の動きをしています。上の歯はもちろんこの頭蓋骨から生えているものですので、噛む力が直接この動きに影響を与えてもおかしくはありません。
 とりわけエッジワイズ法は歯を動かすのに、他の方法に比べて強い力を使います。この強い力が頭蓋骨に与える影響を無視する事など、できないのではないでしょうか。
個々の身体の許容できるひずみには個人差があります。このやり方が身体に合っているか否か、ご自身の身体に聞く事の出来る筋反射は、矯正には必需品だと私は考えます。

  来月号では、二つ目の方法「マルチループ法」のやり方と
その問題点についてお話しします。 
 

院長の吉田です。

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