ちょっとツッこんだ 歯のはなし

 今月は、先月の続きです。とかく時間に追われる現代人。食べたらすぐ磨くことができない時でも、一日のうちいつ磨けばより効果的なのか、ということについてお話しします。

2月号

 

 

〈シリーズ・子供の歯〉 そのF 「一日のうちいつ歯をみがくのが効果的か?」

   

歯をいつ磨くか?と問われれば、もちろん一番良いのは「食べた後すぐに。」です。しかし忙しい現代人にとって、食事ごとの歯磨きはなかなか難しいようですね。ですが、せめて一回でも時間が取れるようなら、歯磨きをすることをお勧めします。ほんの少しの時間でも、全く磨かないよりは、もちろん磨くほうがいいのです。

少し前、某有名衛生メーカーのCMに「磨く時間がないから、洗口液のうがいだけでもいいよね?」というものがありましたが、「うがいする時間があるんなら、その時間磨いたらええやん。」と、当院スタッフが言っていました。もちろん、洗面所に出向く時間すらない方なら、仕方ないかもしれません。ところが、「うがいするんに、洗面所行かないかんやん。」とさらにスタッフの追い討ち。――はてさて、皆さんはどのようにお考えになりますか?

さて、話を元に戻しましょう。

食事の後は、口の中に残る食べかすなどが糖に変わり、それを栄養にして細菌が歯を溶かす酸を作ります。この酸は、ごく微量ながらとても強い酸なので、人間の身体の中で最も硬い歯のエナメル質をも、溶かす作用があります。昼間は、唾液がある程度この強い酸を洗い流すことができるのですが、寝ている間はこの唾液の量が減少し、酸や汚れを洗い流すことができにくくなるので、注意が必要です。更に寝ている間は、口の中の細菌の増加が大きく、朝起きた時には寝る前の約二倍になるといわれていますので、特に寝る前の歯磨きはとても重要です。

以上のことから、歯医者が勧める歯磨きのタイミングは、毎食後と寝る前の4回ですね。この中から、自分で時間の取りやすい何回かを選んで歯を磨いてみて下さい。どうしても時間が取れないというのであれば、一度でもいいのでじっくりと時間をかけて磨くことをお勧めします。それから、「飲み物しか飲んでいないから、歯磨きせんでもええやろ。」という方もいらっしゃいますが、飲み物に糖分が含まれていたら、食べ物を食べたのと同じですから、お間違えのないように。

来月は、
歯を守る唾液と、虫歯の関係について
お話しすることにしましょう。

院長の吉田です。

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