さて、今月は「いつ歯を磨けば効果的か?」というテーマです。このいつの意味は、(1)子どもがどのくらいの年齢になれば、歯を磨けばよいのか?ということと、(2)一日のうちでいつ磨くのが最も効率よく歯の汚れを取る事ができるか?という二点に尽きると思います。今月は(1)について詳しくお話しします。
子どもの歯は、だいたい生後6〜7ヶ月ごろ生えてくるということです。しかし今では栄養状態が改善され、早い子はもっと早く生えていることも珍しくありません。とにかく、歯がなければ磨く必要はないわけで、基本的に歯が生えたら、汚れを取る意味での歯みがきは必要になってくるかもしれませんね。
しかしながら、この頃の赤ちゃんは、口からかなりの量のよだれが出ているはずです。水よりもしっかりした粘性を持つ唾液は、それゆえに口の中の汚れを洗い流す作用も併せ持っています。蛇足ですが、このころの赤ちゃんの口の中に歯ブラシを突っ込み、ちょこんと生えた歯を磨こうと思っても、たいていは拒否されるのがオチです。(むずかる・泣くですめばいいですが、時には激しく暴れたりするかも…。)赤ちゃんに限らず、子どもは一度嫌だと感じたことは、どれだけなだめ、ご機嫌を取ろうが、妥協しません。
そういう意味合いも含めて、お子さんの歯が生え始めたら、すぐ歯ブラシで云々…ではなく、まずは口の中にお母さんのおっぱい、あるいは哺乳瓶の乳首以外のものを入れる練習から始めましょう。お母さんの指(親指と人差し指)に清潔なガーゼを巻き、指で歯を挟むようにして、汚れをふき取るときれいになります。
大切な事は、子供さんが嫌がるようなら無理強いしない事です。
歯ブラシに慣れさせるために、歯ブラシをお子さんに持たせる方がいらっしゃいますが、口に入れたまま転ぶと大けがのもと。どうしてもというなら、握り手のところに、丁度刃のつばのような形の補助具のついた子供用歯ブラシがあるので、それを使って下さい。もちろん、小さくても歯ブラシを嫌がらず、歯を磨かせてくれるのなら、磨いてあげてもいいのです。
普通の小児用歯ブラシを使っての歯磨きは、乳歯の臼歯(D・E)が生え、なおかつ歯磨きの重要性を、お子さんが理解できるようになってからでも遅くはありません。子どもが自分で歯みがきができるようになるのは、小学校低学年ごろになるでしょう。それまでは面倒でも、仕上げ磨きをしてあげる方が無難です。
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