知っておくとトクする 歯のはなし

 

   

       

 人間の歯には、物を噛むというだけでなく、体のバランスを保つという役割があります。今月は、動物の歯についてお話しましょう。

6月号

 

 

人間の歯と動物の歯  

うん、うん、うん、うん・・・・・   ブン、ブン、ブン、ブン !!   きょろっ、きょろっ、きょろっ、きょろっ !!   Go !! Go !!  Go !!  Go !!  

 人間の歯は、上下合わせて28本あります。(親知らず:第三大臼歯を除く。)その中にも、いろいろな形をしたものがあって、一本一本がその形に見合った役割を果たしています。例えば、前歯は食べ物を細かく、口の中で噛みやすくする役割があります。そして、口の奥へと、舌や頬の働きによって送られた食べ物は、臼歯でさらに細かくすりつぶされます。  
 時々、歯を抜けたままにしている方がいますが、噛むための道具である歯がないまま噛むことを繰り返していると、残った歯に負担をかけ、ひいては身体全体に影響を及ぼす可能性があります。残った歯もグラグラし始めて、抜ける・・・ なんてことになるかもしれません。  
 
動物などでは、この傾向はさらに顕著です。動物園などの、施設にいる猛獣をおとなしくさせようとすれば、人間で言うところの犬歯(俗に言う糸切り歯です。)を抜くとよいそうです。事実、いくつかの動物園では、実際にこのやり方で動物をおとなしくさせているそうです。

永久歯列

永久歯列

左上の1番 左上の4番 左上の7番
1.左上の中切歯
4.左上の第1小臼歯
7.左上の第2大臼歯

動物の歯牙

 野生の動物にとって、(とりわけ肉食の動物などでは)犬歯が、闘争心を失わないためのツボのような役割を果たしているのでしょう。
 また、草を食べる動物では、草の繊維をすりつぶすための臼歯が発達しています。

野生の動物が歯を失うということは それ以上生きていくことが難しい、ということを意味しています。  人間と、その身近に暮らす愛玩動物だけが、歯槽膿漏で歯を失っても生き続けることができるのです。しかし、あくまでそれは歯をしっかり治した場合のこと。歯がぬけたまままでも、軟らかい食事で栄養を取ることはできるでしょうが、身体のひずみは治せません。  

 年をとったから、必ず歯が悪くなるのではありません。一生自分の歯で、何でも食べる事ができるのです。そのためには、やはり毎日の歯みがきが大切なのです。

院長の吉田です。

7月号は、『歯を削るとしみるワケ』をお送りします。

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