歯の表面は、鉱物に例えるなら 水晶と同じくらいの硬さのエナメル質でできているのは、皆さんご存知ですね。
このエナメル質のおかげで、硬くて粘りのある「たくあん」のような食物も食べることができるのですが、ただ硬いだけでは強い力が加わったときに、割れたり欠けたりしやすいので、歯は内側の方が、より柔らかくて粘りのある組織でできています。
歯を治療する際、金属でかぶせなおしをしますね。かぶせて治すためには、歯を削って場所を確保しなければなりません。この時、削ってしまうのは一番外側のエナメル質ですから、一時的にその下の象牙質が、むき出しの状態になってしまうのです。
また、削るときに熱がでますので、象牙質自体がやけどをした状態になってしまうことも、しみる原因の一つです。
さて、この象牙質という組織には、象牙細管(ぞうげさいかん)と呼ばれる細い神経の管があります。治療が済み、金属などで詰め直したあとでも、金属の「熱を伝えやすい」という性質のため、「虫歯を治したあとなのに、しみるのが治らない。」という不快感がしばらく続くことがあります。
これは、神経の管がむき出しになったままのところに金属をつめるので、一時的にしみやすい状態にあるせいです。
人間の身体というものは良くできたもので、このような不快感が続くと、歯の内側からこの神経の管をふさいでいき、だんだんしみにくくしていきます。ただ、歯の中に骨のような組織ができるのを待たないといけないので、しみるのがおさまるまでには個人差があります。
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