ちょっとツッこんだ 歯のはなし

 

   

       ふ〜ん。

新年おめでとうございます。今年度からは、歯科治療の常識が引き起こす弊害についてお話ししていきます。

1月号

 

 

  

 きょろっ、きょろっ、きょろっ、きょろっ !! Go !! Go !!  Go !!  Go !!  

   

 平成17年2月号でもお知らせしたとおり、育児中のお母さん方に行われる離乳指導は、お子さんの月齢で行われており、明らかにフライングです。初めてのお子さんには、もちろん育児書などを参考にして離乳をするお母さんがほとんどでしょうし、二人目や三人目ともなるとお母さんのほうも慣れたもので、上のお子さんの食べているものをつぶして食べさせるなど、もしかするともっと早く、固形のものを食べさせているかもしれません。

 このことが、子供に悪影響を及ぼすことはないのでしょうか。

 今まで再三申しあげておりますように、早期離乳は、咬まずに飲み込む癖をつけ、硬いものを食べない子供を作ります。固いものを食べないのならば、やわらかくても栄養のあるものですませばいい、と思われるかもしれません。(残念なことに今の食物は、この考えに基づいて製品化されています。)
 もし、“噛む”という行為が、単に食物を細かくする為だけのものであるなら、それでいいかも知れません。ところが、噛むということは、人間が生きていくうえでとても大切な役割を果たしています。
 去年からお話していますように、噛み合わせが悪く左右の噛むバランスが取れていないと、人間は身体をひずませてでもバランスを保とうとすることがわかっています。そして、一箇所のひずみを補うため、さらに他の場所をひずませていくのです。
 さらに、硬いものを少ししか噛まなくなれば、顎も発達しません。華奢な顎では、永久歯に生えかわるときに歯がきれいに並ぶだけの場所がなく、乳歯の真下に永久歯の芽がないことで生え変わりがうまくいかず、たかだか乳歯を抜くためだけに歯医者のお世話にならざるを得なくなります。
 これだけではありません。人はストレスがかかると、歯を食いしばります。もし、しっかり噛めないのにストレスが襲ってきたら…?そのストレスに耐えきることができなくなることだって考えられます。ちょっとした原因で“キレてしまう”子供たちが多くなっているのも、ここにひとつの原因があるのではないでしょうか。
 まだありますよ。本来“噛む”という行為は、脳に酸素を送るポンプの様なものです。歯並びが悪くて、脳に酸素が充分にいきわたらなければ、脳は充分な活動をすることができず、特にお子さんの発育にもよくない影響を与えてしまいます。
 やわらかい食物が氾濫している今日この頃ですが、離乳食の時期に注意して、
“噛むことのできる子”に育てることが、こどもの健やかな成長を助けます。

来月号では、「見た目美しい治療は 身体によいのか?」をお送りします。

院長の吉田です。

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