最近、自分の口の中を鏡で見たことがありますか? 見たことがないなあ、という方はぜひ、この機会に手鏡などで ご覧になって下さい。
どんな歯がありますか? 前歯と奥歯で、ずいぶん大きさや形が違うことに気付かれるでしょう。
その中に、治療をしてかぶせている歯は、何本ありますか?一本ですか?二本?それとももっと多いですか? もしかぶせて治療を終えた歯の中に、山とか谷といった溝のない歯があったら要注意です。その歯が身体のひずみを生む原因になっているかもしれません。
もともと人間の歯というものは、山や谷があって、デコボコした噛み合わせをしているものです。この山の部分が当たることで、食物を効率よく(顎に無理な力を加えることなく)噛む事ができますし、溝に沿って食物がスムーズに流れるのを導きます。 特に硬いものを噛む時には、でこぼこなくしては満足に噛むことができないでしょう。
このことをわかりやすくするため、包丁を例にとってみましょう。刃を研いだばかりの包丁は、力を入れなくとも物を簡単に切ることができますね。ところが研がずに長く使っている包丁では、そうはいきません。力を入れなくては切ることができないので、余分な力を必要とします。
これは、研いだ包丁には刃がしっかりとあって、効率よく物を切ることのできる形になっているからです。山や谷のない、平らな面で当たるほど、力を加えないと物をすりつぶすことは難しいでしょう。 したがって、噛むときに余分な力を必要とするほど、顎への負担も増えます。
顎関節症にならないためにも、奥歯の噛み合わせなど必要な部分には、元あった形に修復できる金属をお勧めします。(もちろん虫歯を作らないでいることができるのなら、それに越したことはありません。) 意味なく人間の身体に備わっているものはないのです。
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