抜けた歯が一本や二本ぐらいなら(場所にもよりますが)ブリッジにして補うことができます。ところが、歯が連続して三本、四本となくなっていくと、ブリッジにすることができず取り外しの入れ歯を入れざるをえなくなります。
入れ歯とは、ピンク色のプラスチックに白い人工の歯をつけ、残っている自分の歯に金属の引っかかり(クラスプ)をつけて動かないようにしたものです。この入れ歯、歯を削ることなく抜けた歯を補い、噛むことができるようにする優れものの道具ですが、いかんせん、とても敏感な口の中に入れて使わなければならないために、「気持ち悪い。」などの理由でいまいち患者さんウケはよくありません。
そればかりか、そう入れ歯になっても「歯ぐきで食べられる。」などと言って入れていない人さえいます。歯が何本なくなろうとも、物を噛む力は変わりませんので、残った歯をいためてしまうのは火を見るより明らかです。
話は変わりますが、老人ホームのお年寄りを悩ませているのは、※誤嚥(ごえん:誤って食物が気管に入り込む事)や呼吸障害です。先日もNHKで 聖路加病院の日野原先生が、「うつぶせに寝ると呼吸しやすく、よく眠れます。」とおっしゃっていましたが、これらの病気はのどの筋肉の異常によって引き起こされるものです。合わない入れ歯を長く使っていたり、入れていなかったりすると、もれなくこのような症状があなたを襲うことでしょう。つけ加えると、左右の歯でバランスよく噛むということが脳への適度な刺激となり、認知症にも効果のあることが、最近よく語られるようになりました。
さて、ここで質問です。
「アナタは歯を抜けたままにしていませんか?噛みづらいまま、食事をし続けていないでしょうか?」
同じ食べ物を食べたとしても、よく噛んで食べたほうがより身体に良い栄養になります。もし、歯がなくなっても入れ歯を入れる必要がないくらい、歯が重要でないのなら、人間にもともと歯は生えていなかったかもしれないですね。
やはり『なくなったら元あったように治す。』ここがポイントです。
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