普通、噛み合わせの調整といえば、当たりのきついところを削り、他の場所と同じように当たる状態にすることだと思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
これは、当たりのきつい部分が高いという前提の下で治療が行なわれているという事です。一見削る事によってまんべんなく上下の歯が噛み合い、効率よくものを噛むことが出来るようになったように見えます。しかしよく考えてみて下さい。もし他の歯がすり減ったり、顎が変形したりしていて、削ろうとしている歯の高さが正しい位置だったとしたらどうでしょうか。
そもそも この治療が正しいか否かを、一体どのようにして決定すれば良いのでしょうか。
一般的に、筋肉反射を取るやり方の「Oリング(オーリング)」を使えば、おおむねどの歯を削るか、もしくは歯のどの部分を削るか、の見極めをすることが出来るでしょう。「Oリング」とは、手の指を丸く“輪っか”のようにして調べるやり方で、筋肉の力の強弱で、その治療が患者さんにとってあっているか否かを知ることが出来ます。たいていの場合、指の力が強くなるように削る・かぶせるという治療を行なうのが良いようです。
(今までの臨床経験からすると、顎に問題がある人のうち、
30歳を過ぎて調整が必要なほど、歯が強く関わっていた人はいません。)
しかしこのやり方も、患者さんの状態によって正確な情報が取れない場合が多々あります。これは身体と脳の機能部位とによるのですが、それはまた来月お話していく事にしましょう。
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