ちょっとツッこんだ 歯のはなし

 薫風香る頃になりましたね。皆さん、いかがお過ごしですか?
さて、今月は4月号でお話しした開口障害と、それにまつわる症状の誤った治療についてお話しすることにしましょう。

5月号

 

 

開口障害にまつわる あれこれ

   

 口が開かなくなって当院に来院される患者さんの中に、他の科で薬を処方してもらった、という方が何人かいらっしゃいます。顎関節症は、全身に症状が現れるので、開口障害が起こる前に、色々な身体の不調を感じ、結果他科で治療を受けていても不思議ではありません。

 ところが基本的に“治療”というものは、患者さんが感じている症状を軽快させることに他なりません。例えば肩がこって痛い、という症状の時には痛み止めの薬か、もしきつい痛みを患者さんが訴える時には、筋弛緩剤(きんしかんざい)なども処方されるようです。これは患者さんの「痛いのをどうにかして欲しい。」という要望によって行われる治療のひとつに数えられます。

 しかし考えてみて下さい。たとえ筋肉の異常緊張が痛みを引き起こしていたとしても、その薬が効いて欲しい場所にだけ効くわけではありません。薬を服用すれば、緊張している、いないにかかわらず、身体全体の筋肉を弱くしてしまうと思いませんか?この結果“全身に力が入らない”“身体が重い”“歩行障害”などの症状に見舞われる可能性が非常に高くなります。

 悪くすれば、筋肉の緊張している場所もそうでない場所も、一律に筋肉の力を弱めてしまうので、全体的な緊張の度合いが変わらず、身体で感じる筋肉の緊張には少しの変化もないことさえ考えられるのです。さらには正常な筋肉に悪影響を及ぼす事さえ、考慮に入れておかなければなりません。

 治療したあげくに体調を崩し、不快な症状が少しも改善された形跡すらないのは、何とも割に合わない話です。結論としてこのような薬なら、いくら処方されたから、といっても服用しない方が身体のためです。

 顎関節症は決して薬では治りません。信頼できる歯科が、せめてあなたの身近にあればよいのですが…。

来月号では、顎関節症を治療するに当たって
無視するわけにはいかない「歯と心の関係」について
お話しましょう。

院長の吉田です。

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