ちょっとツッこんだ 歯のはなし

 「歯と心」正確には「心理的な要因と噛み合わせ」ですが、意外なことにこれらは切っても切れない関係にあります。今月はこのテーマでお話ししていきましょう。

6月号

 

 

歯と心

   

 「悩みがあるとき、頭痛がした。」あるいは「心配すると胃がしくしく痛む。」このような経験は、誰にでもあることではないでしょうか。では、「何か嫌な事があると、歯が痛くなる。」これはどうでしょうか?「あり得ない。」と思いますか?

 当院に来院される患者さんに、時折顔面の痛みや、顎の痛みを訴えられたり、さらには歯がかゆい(!)といわれたりすることさえあります。(もちろん、歯に穴なんかあいていません。)よくよく聞いてみると、皆さん一様に何らかのストレスを抱えている場合がほとんど。では、なぜこんなことがおこるのでしょうか

 人間が生きて行く上で、身体に負荷がかかることはすべて、ある種のストレスと考えられます。重い荷物を持ち上げようとした時に歯を食いしばるのと同様、人間はストレスに耐えようと、歯を食いしばります。

 この時、まさに自分の体重くらいの力が歯に加わっている計算になります。つまり、ストレスを感じるたび、私達は無意識に歯を酷使しているのです。

 こんな状態が長く続けば、いくら水晶と同じ硬さを持つというエナメル質でもひとたまりもありません。噛みあわせの面がすり減り、低位咬合を起こして顎に負担をかけ、顎関節症をひき起こす原因ともなりえますし、何より虫歯になるリスクが何倍にも跳ね上がります。(歯は内側に行くほど柔らかい組織でできているためです。)

 このように、歯や顎の不調に心理的問題が大きくかかわっているときがあるのです。

来月は、「顎関節症と心理的問題」について
もう少し深く考えていきましょう。

院長の吉田です。

HOMEへ戻ります。

         このページのTOPに戻ります。         2008年5月号に戻ります。      7-8月号へ


このページで使用したFee素材は ・・・ いたま 牛飼いとアイコンの部屋 Pearl Box