銀歯の脱落のほとんどは、歯と銀歯の間にできたすき間からの二次齲蝕(にじうしょく)によるものです。しかし時々、おもに前歯において、支えている歯ごとかぶせ物が外れてしまうケースがあります。
これはおもに、前歯の前から三番目の犬歯(糸切り歯)でみられるのですが、根の治療などをして歯の周りを削り、かぶせて治療をしている歯で多いようです。
人間が食べ物をたべるときには、単に上と下の歯をかみ合わせるだけでなく、ぎしぎしと横に歯ぎしりをするようにも動かします。このとき犬歯が横にずらす時の膨大な力を受け止める役目をするので、このようなことが起きやすいのです。
では、奥歯ならこのようなことは起きないのでしょうか?
確かに奥歯は前歯にくらべて太く丈夫です。しかし噛み合わせの異常や清掃不良からくる歯槽膿漏が、骨を溶かしていくことにより歯茎が下がり、かぶせものの下にある根の部分が表面に出てくると、非常に虫歯になりやすいものです。そして虫歯が進行すると、奥歯でも折れてしまう可能性があります。
話は変わりますが、板に打ちつけたクギを抜く時、私達はクギを何度か横に揺らして抜きますね。そうやったほうが抜きやすいことを知っているからです。それと同様、歯も奥歯は横からの力に弱く、食事をするたびにこの横からの力が加わり続けた場合、銀歯が脱落したり、歯が根元から折れてしまったり。最悪歯が抜けてしまうかもしれません。
噛み合わせは個人差が大きく、一概には言えないのですが、長期間横からの力が加わり続ける状態が続くと、いずれ何らかの形で不具合が出てくるのは必至です。
こんなことにならないために気を付けたいことは、
(1) 歯みがきをしっかりして、歯周病の予防に努める。
(2) 不必要な食いしばりや歯ぎしりのもととなるストレスと上手に付き合う。
の二点です。(2)のストレスと上手に付き合うために、3in1という方法がありますので、興味のある方は当院ホームページおすすめワークショップ・スリーインワンをご覧になって下さい。
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