ちょっとツッこんだ 歯のはなし

 今月は〈シリーズ・子ども〉の歯の2回目です。
永久歯に生え変わる時にちょっと注意しておく
ポイントについてお話ししましょう。

9月号

 

 

〈シリーズ・子供の歯〉 そのA 「乳歯と永久歯」

   

 永久歯が生えてくるのは、個人差もありますが、たいてい6歳前後と考えていいでしょう。おおむね乳歯の生えてきた時期が早ければ早い時期に、遅ければ遅いと考えてくださって結構です。

 さて、永久歯はどれも、歯茎下から生えてきます。その上に乳歯があったか、そうでないかにかかわらず、上下の歯が噛み合わせの位置にまで生えてくるのには、早くて5ヶ月、長い時には3年くらいかかることもあるようです。この時期の永久歯は、一部が歯ぐきにおおわれていることが多く、キレイに歯みがきがしづらいために、とても虫歯になりやすいもの。時々は仕上げ磨きをしてあげるなど、お子さんのお口の中を見る習慣、つけておいたほうが無難です。

 また、生えてすぐの永久歯は歯の質が弱く、ちょっとしたことで虫歯が進行してしまうこともあります。最近では、歯の質を強くするフッ素入りの歯磨き粉も市販されるようになりましたので、そのようなものを使ってみるのもいいでしょう。学校でも、休み時間などに、フッ素を含んだ水によるうがいを行っているところもあるようです。

 しかし、「フッ素でうがいをしたら、虫歯にならない。」のではなく、「虫歯になりにくくなる。」だけですし、みがかないことで逆に歯ぐきが腫れて赤くなる【歯肉炎】が増加するなどという話もよく聞きます。

 歯の治療も予防も、基本は歯みがきなのです。

 ところで、乳歯の一番奥に当たる歯は、永久歯より大きいということをご存知ですか?もともと乳歯というのは、子どもの頃の歯ですから、小さなこどもの顎に見合った大きさです。したがって、大きくなると大きな大人の歯に生え変わるわけです。少し昔の話ですが、乳歯が生えている間は、乳歯同士の間に結構すき間がありました。そしてだんだんと永久歯に生え変わるうちに、すき間がなくなってくるのですが、この、前から5番目の歯の永久歯が小さいので、丁度バランスよく生え変わる仕組みになっていたのです。最近では食物が柔らかく、顎が充分に発達しにくいので、特に前歯ががたつきやすい傾向にあります。こんなとき、隣にある乳歯を削り、場所を作ると(ストリッピング・H1510月号参)比較的歯並びがよくなるケースもあるそうです。

 とにかく、かかりつけの医師によく相談してみることをおすすめします。

来月号は、〈 シリーズ・子どもの歯 〉
その3「歯みがきの意味」について お話ししましょう。

院長の吉田です。

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