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吉田ちゃんのひとりごと −5− 

 「笑気麻酔をしないワケ」

  痛みを感じず(正確には感じにくくなる)治療ができるといううたい文句の笑気麻酔は、全国の小児歯科や口腔外科で多く使われているそうです。

 痛みをあまり感じないうちに、気がついたら歯の治療がすんでいた、とか、うつらうつらとしているうちに歯が抜けていた、などという話を聞くと“痛み”を嫌悪する我々人間は思わずそういうやり方を選んでしまいそうになるかもしれません。

 しかし、笑気が身体の及ぼす影響について※現段階では【何の問題もない】と言い切ることはできません。そればかりでなく、自分の意識のはっきりしていないうちに治療がすんでしまうために、「自分の力で治療する。」という意識がなくとも何となく治療が終わることになります。その結果、「自分が対処する事を選ばなければ、治らない。」のではなく、「病院に行きさえすれば、病気は誰かが治してくれるもの。」「虫歯も、歯医者に行けば治してもらえるもの。」という考えに陥りやすくなるでしょう。

 このような治療を繰り返していると、歯の治療ばかりでなく、すべてにおいて他人任せの内向的な性格を形成することになりかねません。虫歯の痛みはきついものだと知っている親御さんが、子供にいやな思いをさせないために、【転ばぬ先の杖】を差し出す気持ちもわかりますが、そうした結果自分の力で何かを成そうという自立心・向上心の芽を摘み取ることになるかもしれませんよ。時には転んだわが子が立ち上がるまで、気長に待ってあげるのも親のつとめだと思う次第です。

 たかが虫歯ですが、されど虫歯。自分が作った虫歯ですから、自分の意思で治す。これが基本です。“痛み”の経験は嫌なものですが、それがきっかけで「虫歯になるから歯を磨こう。」とか「痛くならないうちに治そう。」と学習するのです。【転ばなければ、わからない。】ことも、世の中にはたくさんあると思いませんか?

 そういったわけで、当院では笑気による治療は行っていません。ですが、従来のものより痛みを感じにくい電動麻酔や、針のない麻酔を採用しています。(以前なかなか治療のできなかったお子さんも、これにより治療を行うことが可能になりました。)

※笑気が身体に及ぼす影響について、二十年ほど前のイギリスの調査によれば、小児の患者のうち、50%ほどには、笑気麻酔を使用しても沈静作用の効果がみられなかったそうです。また、笑気を使用する手術を担当する看護婦の約20%に、不妊の傾向がみられたというデータもあるようです。

 

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