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  顎関節症の臨床例 -2-

主訴  先端咬合ぎみだった前歯4本を治したところ、噛み合わせが変に
     なり さらに奥歯を削られた。すると、ますます噛めなくなり 頭痛が
     し、体調が悪くなったので、治したい。

  不適切な補綴物から顎関節症へ
(1) (2)
初診時の模型。右上3番が短く、側方のガイドをしていなかった。 初診時の模型。咬合調整で奥歯を削られた為、左上の奥歯がに隙間が。
初診時の模型。右上の3番が短く、
側方のガイドをしていない。
初診時の模型。咬合調整で奥歯を
削られた為、右上の6・7番に隙間が。
(3) (4)
治療終了時の模型 治療終了時の模型
治療終了時の模型 治療終了時の模型

写真をクリックすると大きな写真画像が出ます。

(5)
初診時の模型
初診時の模型。
(6)
治療終了時の模型
治療終了時の模型。前歯のざ筋反射テストで

(1)(2)(5)は、初診時の模型です。
 「先端咬合ぎみだった前歯を治しに
 係り付けの歯医者へ行きました。
 上の前歯4本を被せてから噛み合わ
 せに大きな違和感を感じ、咬合調整
 をお願いしたら 奥歯を削られて ま
 すます噛めなくなり体調まで悪くなっ
 ていきました。偏頭痛が起こり出した
 のは、上の4本を被せてからだったと
 思います。」と言うのが 最初のお話
 でした。

 模型(2)で見ると、左上の奥歯の
 咬合に隙間があり、模型(1)では
 右 上の3番も削られて側方のガイド
 をしていません。普段は、噛むと顎骨

  もしなるので何とか食事をしていると思いますが、そうとう 咀嚼が
  きつかったのではないでしょうか。

  治療する順番は、筋反射テストでリーディング。最初に、上の連結され
  た前歯4本をそれぞれ切り離し、その歯その歯の動きを自由にしまし
  た。連結部分をタービンで切り離したところ、切った直後に 「頭が楽
  になった」と言われました。
  上顎骨は、頭蓋骨のベースになる骨なので、上の左右1番(中切歯)
  連結して上顎骨の動きを止めると、他の頭骨の動きまで阻害してしま
  います。この患者さんは、偏頭痛という形で症状が出ましたが、実は
  首から下の身体の方にも影響があったのです。
  顎関節症の患者さんに 上の左右の1番を連結するのは絶対にやっ
  てはいけません。それは、オステオパシーの医学では、常識となってい
  ますが、残念なことですが日本の歯科医学界では知られていません。
  上顎骨の動きを妨げる意味から、スプリントの装着は上顎にしては
  いけない。下顎が望ましいのです。

  次に、スプリントを作成。装着する時間を筋反射テストでリーディング
  し 調整日にスプリントの咬合調整しながら 身体の歪みが顎に影響
  しない状態 または、 咬合位で身体を整え そして身体が安定する
  (バランスが整う)まで スプリントを装着して頂きました。(これはスト
  レート・カイロのテクニックの応用です。) スプリントもいつまではめる
  のか?も筋反射テストで聞きます。
  スプリントの治療が終了して、リーディング順に身体に合った高さの
  詰め物に替えて、噛み合わせを整えて行きました。上顎の前歯4本は
  (連結はせずに)1本ずつ被せ、元々の先端咬合に近い浅目の咬合
  に戻しました。これが、筋肉が強く反応するところだったからです。

(3)(4)(6)は、治療終了時の模型です。現在は、数年に1度噛み合わ
  せのチェックに来院されていますが、噛み合わせも体調も順調のよう
  です。

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